みんな、夜の廃墟や心霊スポットに興味はある?
俺も昔は怖いもの見たさで、友達や先輩に連れられて色んな場所に行った。でも、今回話すのは「本当にヤバかった」と思う体験談だ。
今でも思い出すと背筋がゾッとする、あの日の出来事のことをここに書く。
廃ビルに向かう夜
その日、大学の先輩に「面白い場所がある」と誘われた。
駅から少し離れた場所にある、取り壊し予定の古いビルだ。
表口は板で塞がれているけど、裏手の非常階段から中に入れるらしい。
正直、俺は迷った。
夜の街は静まり返り、街灯はちらほら切れている。枯葉の匂いや湿った空気が、すでに不気味さを増していた。
風が吹くと、街路樹の枝がギシギシと軋む音がする。
「大丈夫か…?」心のどこかで思ったけど、先輩に「行こうぜ」と笑顔で煽られてしまい、好奇心に勝てずついていくことにした。
錆びた非常階段の恐怖
非常階段は錆びつき、踏むたびギシギシ音が鳴る。
金属の冷たい感触が手に伝わり、思わず手すりにしがみつく。
階段を上がると、風がビルの隙間から吹き込み、冷たく湿った空気が顔を撫でた。
先輩は「上に行けば景色綺麗だぞ」と笑ったけど、俺には冗談に聞こえなかった。
一段ずつ上がるたび、背後にかすかな足音がついてくる感覚があった。
誰もいないはずなのに、確実に「気配」が迫ってくる。
三階で聞こえた異音
三階あたりに差し掛かったとき、「カン……カン……」という金属音が響いた。
階段を上がる俺たちに合わせるように、硬いものがぶつかる音だ。
振り返っても誰もいない。
「聞こえた?」先輩も顔をこわばらせている。
「……ああ」
音は近づいてくる。階段を見ても影はない。
でも、気配だけは確実に迫っていた。
俺の心臓は早鐘のように打ち、呼吸も浅くなる。
四階での異変
四階まで上がると、空気はさらに重くなった。
窓は割れ、冷たい風が吹き込み、壁には黒ずんだ手形が点々と残っている。
背後で「ヒュッ…」と息を吐く音が聞こえ、思わず体が硬直した。
先輩も固まったまま、俺と同じように階段を見つめていた。
それでも、何かに引き寄せられるように、足は勝手に次の段を上がっていた。
一段一段、恐怖が体に染み込む。
「もうやめよう」と思うのに、足は止まらない。
最上階で見たもの
最上階に着くと、景色は確かに綺麗だった。
でも、目の端に影がチラッと動いた。
建物の奥、暗闇から誰かが階段を上がってくる。
「誰だ…?」
声にならない声を出す。
影はじりじりと近づく。顔も手も見えない。
ただ、“確かに存在している何か”が目の前にいる感覚。
足元で「ガチッ」と音がした。
階段の段差に小さな足跡が無数に続いている。
サイズは子どもくらいだが、歩き方は不自然で、確実にこちらに向かってくる。
恐怖の逃走
俺たちは一目散に駆け下りた。
下に着くと、建物の奥にまだ黒い影が残っている気配がした。
息を切らしながら敷地を抜け、振り返ると廃ビルは月明かりにぼんやり光っていた。
その夜は、帰宅してもなかなか眠れなかった。
布団の中で目を閉じると、足音や影の感覚が蘇る。
何度も何度も夢に出てきて、夜中に目が覚めることもあった。
後日談と教訓
あの廃ビルには二度と近づいていない。
でも、夜道で誰もいない方向から靴音が聞こえると、あの夜を思い出す。
怖いのは、あの建物だけじゃなく、「音や気配が現実に存在する」と思わせる感覚だ。
夜中に古い建物や廃屋に近づくのは絶対にやめてほしい。
何もいないと思っても、音や気配は確かに存在する。
俺が体験したのは、おそらく「人間ではない何か」に近づいた瞬間だったんだと思う。
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